引越しのピークが去り、新居での荷物の整理が始まりました。
そんな中、白いビニール袋からソウルオリンピックのマスコットのトラ君のぬいぐるみが顔を出してます。
私がそれに目を向けるとお袋が、「そのトラは、爺ちゃん(私の爺ちゃん、お袋の父)が、初めて私にプレゼントしてくれた物。爺ちゃんは、すごく照れながら私に渡しなはった。」って言いました。
ソウルオリンピックの年、もしくは開催決定の年と爺ちゃんの亡くなった年を考えると、少しつじつまが合わないかもしれませんが、お袋がそう言うなら、そうでしょう。(苦笑)
私の爺ちゃんは、寅年生まれで、とにかくトラが好きだと印象は、私が物心ついたときからあります。
爺ちゃんの家には、木彫りや金属のトラや掛け軸など、その他いろんなトラがありました。
私は幼い頃、そのトラが怖くて部屋に入れなかったこともあります。(苦笑)
爺ちゃんは長男で、すごく家族思いの人柄でした。
家族や親戚に困ったことがあれば、いろいろと相談にのってたようです。
そんな爺ちゃんが、私たち家族を見守るために、このマスコットのトラが出てきたような気がしました。
親父の命日のナンバーの車と同様、私に「いろいろ頑張ったね。また、いろいろ頑張れよ。」ってことでしょうか。(笑)
怒涛の二週間が経ちました。
先日に書いた通り、引越しです。
私は私にペースでほぼ予定通りに事を運びましたが、一番大変だったのがお袋でした。
今まで住んでた家に、一番思い入れがあり、一番思い出が詰まっているのでしょう。
お袋の引越しの荷物は半端ではなかったです。
ある程度予測はしてたので、バスケットの後輩に頼んで、とにかくお袋の面倒をみてもらうことにしてました。
後輩もお袋の気持ちを汲んでか、一つでも多くの荷物を運んでくれました。
軽ワンボックスにして、およそ20往復。当然、新居に入るわけはありません。とにかく運んで、お袋の部屋とリビングに目一杯こづんでも入りきれず、玄関先の駐車場にまで置いてあります。
私からしたら、部屋の広さがわかっているのだから、それに合わせて持っていくことをしますが、お袋はそうでありませんでした。
まず、目の前にある物を片っ端から目を通し、箱や袋につめて、まずは少しでも多く持って行き、新居で整理したいようです。
荷物を運ぶ側からすれば、二度、三度…、いやそれ以上の手間がかかります。
しかし、後輩は、運んだ後、整理してはじかれ処分する物の廃棄まで手伝ってくれます。
ありがたいことです。
ただ、私は、荷物を詰めている母とは、毎日喧嘩状態です。
「これ、本当に持っていくと?」
「持ていく」
「使うと?」
「使う」
「いつ?」
「わからん」
「使わなかったら、どうすると?」
「すてる」
「じゃ、置いていったら?」
「使うかもしれんけん、持っていく」
…この繰り返しです。
昨日の深夜12時をタイムリミットとして、鍵を閉め、電気のブレーカーを落とし、帰宅。
お袋の部屋は、荷物で一杯で、リビングのソファーで寝ました。
ここ一週間で、背中が曲がり、一気に歳をとった感じです。それほどまで、荷造りをしました。しかし、この無駄とも思える行動が、お袋の気持ちを満足さてるのでしょう。
今回の引越しのためではなく、車の買い替えのタイミングだったので、一ヶ月ほど前に買った車のナンバーを「・626」としました。
親父の命日です。車を買い替えるときにお袋と話、親父の命日を思いつきました。
無駄な荷物を運ぶたびに、親父だったらお袋の荷物は全部運んでいたでしょう。そう思うと、私も親父に少しでも近づけるようには…と思いました。
現在、新居は、「ゴミ屋敷」状態です。(苦笑)
毎日が、分単位で過ぎて行く感じです。
引っ越しまで、あと数日。
いろんな手続きや用意、準備など、最初に思ってたより無茶苦茶大変です。
家族で協力することや自分にしかできないこと、お手伝いすること…。
片付けしなが、今まで住んでいた思い出の感傷に浸るイメージもありましたが、それどころではないという現実と戦ってます。(苦笑)
先ずは、身体を壊さないことが前提です。
早く、新居でゆっくりとお風呂に入りたい…というのが、今の目標かな。(笑)