続いて、市立船橋の話です。
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勝因は決して一つではない。千葉・市立船橋は、青森・八戸工業大学第一を圧倒した。ファイナルスコア【106-39】。
近藤 義行コーチが言う。
「ウインターカップの千葉県予選が9月に終わり、12月までゲームに遠ざかっていました。
もちろん練習ゲームや招待試合などは行なっていたのですが、ウインターカップが近づいてからの練習試合ではディフェンスの厳しさが足りなかったんです。どの相手にもハイスコアを取られてしまう。
だから今日は厳しいディフェンスを出そうと戦った結果が、39失点です。その上で全員出場・全員得点もできましたから、課題はクリアといっていいでしょう」
激しいディフェンスこそが圧勝の要因というわけだ。
それだけではない。
地元・千葉県船橋市で行なわれた今夏のインターハイで、船橋市立船橋はベスト8を目前に敗れている。春の関東大会を制し、インターハイでも当然注目校の一つに挙げられていたのだが、関東ブロックのチームに敗れているのだ。
その敗因をチームのトップスコアラー、2年生の#6平良 彰吾はこう話している。
「相手の機動力にチームのローテーションディフェンスが追いつかず、オフェンスも孤立した状態になってしまって、リズムがつかめませんでした。
合わせのプレイもできていなかったし…でもそこから練習ではボールを回すことを意識して、1対5にならないようにしてきました」
つまり個々のポテンシャルに頼らず、チームで戦うことを夏の敗戦で学び、それを今日のゲームでも表現したのだ。
そしてもう一つ。それはベンチで見せた平良の献身さである。
主力メンバーとして点差を離すと、早い時間帯にベンチに戻ることになる。そんな時に、たとえベンチに1年生がいたとしても、平良は率先してセカンダリーを畳んでいた。
「下級生としての仕事だと思います。もちろんコートでバスケットをしているときは、年齢は関係ないと思っています。
でも第4ピリオドになって、この試合はもう僕が出ることはないだろうなと思ったら、その分1年生たちが試合に多く出られるチャンスがあるのだから、僕がそれをやろうと…それだけです」
勝って驕らず、主力として驕らず、ただベンチの下級生に少しでも経験を積めるチャンスを増やそうと、平良は雑用を率先した。そうした献身もまた、船橋市立船橋の強さなのだろう。
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「激しいディフェンス」、「チームプレイ」、「謙虚な気持ちで献身」。これらのすべてが合わさった結果の勝利ということでしょう。