ウインターカップ転載1-イマケン

  • 2017年12月24日(日)

ご無沙汰しています。
イマケンです。
ウインターカップが始まりました。
この試合、イマケンは「現場レポート」が好きで、ウォッチし、気に入った記事を勝手に転載させていただいています。
今年も、転載します。
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リベンジへ 〜3年生が見せた意地のラストショット〜

例えば、見通しのよい一本道。数十メートルおきにある信号を見ると、先はすべて青信号。ノンストップで進める。
しかしすぐ目の前にある信号が赤であれば、その先はどうあれ進むことはできない。
トーナメント形式の大会とはそんなものなのかもしれない。まずは目の前のゲームをいかに勝つかが重要になる。

ウインターカップ2017の女子1回戦、精華女子(福岡)と県立足羽(福井)の対戦は81-80で精華女子が競り勝った。

ともに女子U16日本代表の一員として、FIBA U16 Asian選手権大会2017で準優勝を遂げたM三浦 舞華選手(精華女子 1年)とI林 未紗選手(県立足羽 2年)がいる。ふたりのマッチアップはこの試合の見所の一つだったが、ゲームを決めたのは精華女子の3年生、E清水 利祐子だった。

「清水のミドルシュートは我々のハーフコートオフェンスの中心。最後はよく決めたくれました」
チームを率いる大上 晴司コーチは彼女のラストショットをそう振り返る。

本来であれば、インサイドでコンビを組む1年生センターのN木村 瑞希選手がダイブをすることで空くスペースに走り込み、そこからのジャンプショットを打つのが得意なパターンだ。この試合も序盤はそうして得点を重ねていた。

しかしそのN木村選手がファウルアウトし、そのパターンが消されたとき、それまで好調だったE清水選手のシュートに微妙な誤差が生じ始めた。決まらない時間帯が続いたのだ。

並の選手であれば、そこで打つのをやめて、チームメートに活路を見出だしても決しておかしくはない。
それでもE清水選手は打ち続けた。外れても外れても打ち続けて、最後の最後に決勝のゴールを沈めた。

「大阪桐蔭と2回戦で当たることがわかってから、インターハイのリベンジをすることだけを考えてきました。そのためにも一回戦の県立足羽戦を100%の力で戦おうと昨日まで準備をしてきました。苦しいときもあったけど、勝つために鍛えてきたので、それを一人ひとりができたからこそ勝てたのだと思います」
E清水選手は激闘の県立足羽戦をそう振り返る。

そして自身のラストショットについては、「今大会は自信を持って打ち続けることだけを考えています。練習でリバウンドを拾ってくれる後輩たちがいるから自分はシュート練習ができています。最後も自信を持って打ちました。あれは意地ですね」と胸を張る。
ラストショットは自らを信じる者にのみ成果をもたらすということか。

県立足羽の林 慎一郎コーチが「6番の子(清水)のシュートがあそこまで入るとは……彼女のシュートは誤算でした」と言えば、女子U16日本代表でキャプテンを務めたI林選手は、「3年生の意地を見せつけられました。私たちは2年生主体で、そこに3年生のキャプテンが一人いるチーム。精華女子の3年生が出てきたときに、私たちは何もできませんでした」と振り返る。

いや、県立足羽も最後に3年生の意地を見せようとはしていた。しかしそこに至る経緯でI林選手が痛恨のミスを犯し、それを見せることができなかった。これは2年生のI林選手にとって、最上級生となる来年にきっとつながるはずだ。

真の日本一を決めるウインターカップは才能豊かなルーキーたちだけで勝つことはできない。

精華女子でいえば、1年生のM三浦選手やK樋口 鈴乃選手に注目が集まりがちだが、E清水選手をはじめ、キャプテンのC梶原 志保選手や、シックスマンとしての力を発揮するF石丸 雪乃選手らがいるからこそ、N三浦選手ら下級生も生きてくるのだ。

清水は言う。
「1、2年生が頑張ってくれるので、私たちは彼女たちを支えながら、コートでは5人全員で戦います」

3年生が意地を見せることで、文字どおりチーム一丸となって初戦を突破した精華女子。

一つ目の信号は青になった。二つ目の信号は、夏に行く手を阻まれた大阪桐蔭である。赤信号のあとに灯るのは何か。青信号である。
さぁ、堂々とリベンジに立ち向かおう。
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ひとりだけでバスケはできない。支える他のメンバー、そしてスタッフ、保護者、様々な人の総合力だ。