オールラウンド-イマケン

  • 2016年01月10日(日)

新春早々、各種スポーツの全国大会が行われています。

春高バレー男子は、優勝・東福岡、準優勝・熊本鎮西という九州勢対決でしたね。

先日、テレビ番組で東福岡の主将・金子選手のことを取り上げていました。同高校のエースアタッカーですが、「コア」というオリンピックに向けた強化選手メンバーにも選出されています。

身長188cmの彼は、200cm前後の長身メンバーが居並ぶ「コア」の中では低いほう。そこで、ポジションはセッターとなっている。

つまり、高校とコアではまったく違う役割を演じ分けている。バスケットで言えば、センターとガードをやっているようなもの。

アタッカーだけしかできなかったら、「コア」メンバーには選抜されなかったかもしれません。

トライアンフ、ベアーズで、ポジションを固定せず、基礎をしっかりやって、オールラウンドなスキルを身につけておけば、高校以上になったとき、そのチーム事情にあったポジションを与えられるということと重なりました。

ルーズボールのこと-イマケン

  • 2016年01月07日(木)

先日書いた尽誠学園の件ですが、次の記事があればもっと理解が進むと思うので、再度掲載します。
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ウインターカップ2011の公式HPの「レポート」(http://www.japanbasketball.jp/wintercup/2011/column/)の記事から見つけたものです。題して「1本のルーズボールが扉を開く」。要約します。

 「『ルーズボールで負けたら尽誠学園のバスケットは何も残らない。試合で負けることがあっても、ルーズボールだけは勝ったという試合にしてほしい』香川・尽誠学園の色摩コーチが常々言っている言葉だが、それが実った男子準決勝だった。最大18点リードを奪われていた尽誠学園が、静岡・沼津中央を逆転で破り、初めて決勝戦に駒を進めた。

 尽誠学園が追い上げながら、沼津中央も点数を入れ返し、点差を離していく。このまま試合終了のブザーを聞くことになるのかという空気も漂う中で、流れを大きく変えたのは岡本選手の1本のルーズボールだった。

 第4P残り4分27秒のところで、岡本選手は沼津中央のPG・川口選手からボールを奪った。奪ったのはいいが、ボールは勢いよく尽誠学園のベンチに向かって飛び出していく。そのボールを岡本選手は必死に追いかけ、ベンチに向かって飛び込みながら、ボールをコートに投げ入れた。そのボールをフォローに走っていた笠井選手がキャッチして、そのままシュート。これで、3点差まで縮まると、流れが尽誠学園に傾き、その流れを最後まで渡さず、逆転勝利となった。

 ボールを追いかけた岡本選手は、『仲間が必ずフォローに来てくれると思ったので、思いきり飛び込んだ』

 そのボールを受け、シュートを決めた笠井選手は、『追いつくのはキツイかなと思ったが、『ここで自分がフォローにいったら得点が取れていたのに…それが原因で負けたらどうするんだ』っていうことが一瞬頭に浮かんで、岡本のために追いかけた。最後は渡邊にパスをしようとしたが、ディフェンスが下がったので『パスしたらヤバイ』と思って、シュートを打った。』

 さらに、『あの場面、ボクだけが走っていたら、戻っていたディフェンスは石川君だったので、シュートをしてもブロックされていたかもしれないし、ボクも判断ミスをしていたかもしれないが、ボールを追いかけてくれた岡本と、逆サイドを走っていた渡邊のおかげで自分が決めることができたんじゃないかと思う』

 ボールをカットし、そのルーズボールを追いかけた岡本選手と、そのボールを受けてシュートを決めた笠井選手。その2人以外にもう1人、逆サイドを走っていた渡邊選手がいたからこそ生まれたプレイ。

 渡邊選手はそのときの気持ちをこう言う。『ボクにパスが来なくても、ボクが走ることによってディフェンスがついてくると思うので、一生懸命走って、あとは笠井さんが決めてくれたので、すごくよかった』

 一生懸命走ったのにパスが来なければ、『自分の走りは無駄だったのではないのか』と思うかもしれない。しかし一見無駄なプレイの裏側にはナイスプレイが隠されている。そのことを尽誠学園の選手はよくわかっているのだろう。

 色摩コーチはあのプレイについて『あれで流れが来ると思った。ボク自身、結構ドキドキしていたが、選手には『オレはまだ焦ってない。バタバタしてない』ってアピールしていた。でもあの瞬間ははしゃいでしまった。それくらいのビッグプレイだった。岡本のルーズボールだけではなく、ちゃんと笠井が走って、渡邊たちがフォローアップに走っていたので、そこでミスは出ないと思っていた』と自信を持って、言った。

 日ごろの練習から、1本のルーズボールをさぼった選手はすぐに練習から外すくらい、ルーズボールは尽誠学園のバスケットに欠かせない柱なのだという。

 練習の「たかが1本」のルーズボールは、試合において「されど1本」のルーズボールとなり、ひいては勝敗を大きく分ける要因になる。尽誠学園はまさにルーズボールで決勝への扉を開いたのだ。」

半歩足りなかった伝統-イマケン

  • 2016年01月03日(日)

あけましておめでとうございます。
今年も、ぼちぼち書き込みます。

ところで、年末のウインターカップは男子・明成、女子・岐阜女子の優勝で終わりましたが、HPからの転載ネタがもうひとつありました。
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男子1回戦、香川・尽誠学園vs宮崎・延岡学園の一戦は、69-67で延岡学園が2回戦進出を決めた。尽誠学園の色摩 拓也コーチは「気にはしていなかった」と言うが、この対戦は第42回大会、第43回大会の決勝戦の再現であり、そのときも延岡学園が勝利している。

尽誠学園はまたも延岡学園の壁を超えることができなかった。

色摩コーチがゲームを、チームの1年間とあわせて振り返る。

「してほしくないところで出てしまうミスを1年間止めることができませんでした。簡単なプレイをしてほしいときも簡単なプレイになりませんでしたから。ウチが勝つとしたらミリ単位だと思うんです。だから選手たちにも『40分目で勝負がつく』と言っていました。

実際にそういう展開になりましたので、タイムアウトでも『予定どおり』だと伝えていたのですが……」

尽誠学園にも――もちろん延岡学園にも――勝つチャンスは十分にあった。

しかし尽誠学園は最後2回の攻撃でミスを犯してしまう。ミリ単位の勝利のチャンスを自ら削っていったわけだ。

「『こういう場面でミスが出るよ』と言ってきたなかでのミス……負けるべくして負けました」

尽誠学園の持ち味とも、伝統ともいうべきルーズボールへのダイブは、試合中に何度も見ることができた。

しかし厳しい見方をすれば、これまでの尽誠学園はルーズボールをつなげていた。今日はつながらなかった。色摩コーチもそれを認める。

「そのとおりだと思います。『飛び込むことだけがルーズボールではないよ』と言ってきていたんです。飛び込む選手をフォローして、ボールを受ける次の選手がいなければルーズボールは成り立ちませんから。

ウチみたいに小さくて、能力のないチームはそこができないと勝てません」

延岡学園のビッグマンが疲れてきたとき、もう少しラリーに持ち込みたかったとも、色摩コーチは言う。

負けてしまうと、悔いる場面はひとつや二つではない。そうした些細な場面が重なって、わずか2点だが、とても大きな2点が生まれてしまった。